――どこでも土銀日誌――
銀時視点
2008.05.05
今日は、こどもの日でもありアイツの誕生日でもある日。
正直、俺ァ誕生日なんて祝われた事ねェから祝い方なんて分からねェ……
「坂田氏〜〜何してるでござるか〜?」
「見りゃ分かんだろ」
「鯉のぼりか…」
「新八に万事屋にも鯉のぼりが欲しいって頼まれてな」
新八に頼まれ、鯉のぼりを探していた所に運良く依頼人から給料代わりとして鯉のぼりが貰えた。
しかし、その鯉のぼりは給料代わりにしてはエラくボロボロで、泣けてくる有り様だった。
その為に銀時は此処二・三日は夜なべして修復作業をしている。
「チャイナとか鯉のぼりの事知らねーだろ?」
「まあね。元々日本人の風習だしな…………ってさっきからややこしいんですけどォ!?
トッシーになったり戻ったりさァ本当ややこしいんですけど!!」
目の前の男は一言発する度に人格が変わっている。
ハッキリ言ってウザイ。
「何なの??さっきからさァ」
「コイツが!!十四郎氏が!!坂田氏とお前と一緒に居る時間を邪魔するんだでござるよ!!」
「だァかァらぁ…ややこしいって言ってんだろーが!!」
目の前の男に溜め息を吐くと銀時はそれ以降の問い掛けを全て無視する事にした。
「やっと出来た」
無視すること2時間。
何とか鯉のぼりの修復作業が終わった。
隣ではいじけた土方が寝ている。
「……ったく。子供みたいに拗ねやがって」
一言呟くと、眠る土方をそのままに出来上がった鯉のぼりを持ち屋根に登ると風にたなびかせようと飾り付けた。
そして拗ねた土方の為に何かしてやれる事は無いかと改めて考える銀時なのであった。
「…銀時?」
土方が目を醒ますと隣に居た筈の銀時が何時の間にか居なくなっていた。
寝ぼけたまま立ち上がり音のする台所に向かう。
「銀時…?」
「あ〜もうちょい待ってろ…すぐ出来っから」
何が出来るかも分からず待つこと数分。
目の前に…
ドデカい柏餅が置かれた。
「何コレ……一体何の嫌がらせでしょうか?」
甘いものが食べれない土方にとってドデカい柏餅は嫌がらせ以外には考えられない。
「バカヤロー誕生日プレゼントだ」
「どこに誕生日プレゼントで嫌がらせする奴が居んだコルァ!!」
「此処に居るだろうがよ…お前の目の前に居るじゃねェか………ってそれは置いといて。いいか?見てろ」
そう言って、銀時が柏餅の柏の葉をめくると…
【happy
birthday
土方十四郎】
とあんこで器用に書かれていた。
銀時からまさかこんなサプライズ事をして貰えるとは思っていなかった土方は言葉を詰まらせた。
「悪いな…俺さ、誕生日って祝われた事無くてよ……祝い方知らなくてこんな事しか出来ねーんだ」
申し訳無さそうに頬をポリポリとかく彼が愛しくて抱きしめた。
「有難う。」
その一言に土方の思いの全てを感じた銀時は安堵の息を吐くと抱きしめ返した。
外では万事屋に飾られた鯉のぼりを見て笑顔になる新八と鯉のぼりの物珍しさにハシャぐ神楽が居たそうな。
何をしたら喜んでくれるか……
なんて考えていた自分がバカみたいだ。
土方は何をしても(嫌がらせ以外)喜んでくれるってのに。
来年はもっと余裕をもって5/5の持て成しの準備をしたいと思った。